Arduino CLI

 

プロジェクトのライフサイクル

この章ではArduinoプロジェクトを回すためのコマンド操作等を説明します。

新しいスケッチを作成する

新しいプロジェクトを始める(新しいスケッチを作る)には、以下のコマンドを入力します。

$ arduino-cli sketch new スケッチ名

このようにすると、カレントディレクトリにスケッチ名のディレクトリを掘り、その下にスケッチ名.inoというファイルを作ります。

たとえば、ホームディレクトリ($HOME)で以下のようなコマンドを入力すると、

$ arduino-cli sketch new foo

新たなプロジェクトディレクトリとして$HOME/fooが作られ、その下にfoo.inoというファイルが作られます。このfoo.inoは、


void setup() {
}

void loop() {
}

といった内容です。これを元にプログラムを書いて行きます。

スケッチをコンパイルする

スケッチはソースファイルです。マイコンで動かすためには、コンパイルしてバイナリコードにする必要があります。

スケッチをコンパイルするには、

$ arduino-cli compile --fqbn FQBN [スケッチ名]

スケッチのあるディレクトリにいる場合は、スケッチ名は不要です。

FQBNは、FQBNのところで説明したものです。

これはプリミティブな方法ではありますが、以下の問題があります。

  • 一々FQBNを指定しないといけない

    覚えておくのも結構面倒臭いものですし、入力で打ち間違いもしがちです

  • コンパイル環境の文書がない

    コンパイルした時のプラットフォームやライブラリのバージョンがわからないと後々困りますし、他人に渡した時にも困りますね。また、複数プラットフォームに対応していても、それについての情報がないとどこで動くのか自明でない時には困ります。

  • そのほかいろいろな情報を一々入力しなければならない

    スケッチに関する雑多な情報、たとえばイメージのアップロードのポートといった情報も一々指定しないといけなくて面倒です

このような問題を解決するために、スケッチのメタ情報をファイルに記録してやり、これを使うというコンパイル方法があります。メタ情報を使ってコンパイルする場合は、

$ arduino-cli compile --profile プロファイル名

のようにしてコンパイルします。プロファイル名については、スケッチのメタ情報を参照して下さい。

スケッチを書き込む

スケッチをコンパイルしたら、ターゲットボードに書き込みます。

ターゲットボードに書き込むための一番基本的なコマンドラインは以下です。

$ arduino-cli upload --fqbn FBQN -p 書き込みポート

FBQNで記述したボード情報のターゲットに書き込みポートで指定したポート経由で書き込みます。

これはプロファイルを使うことで、より簡単になります。

$ arduino-cli upload --profile プロファイル名